勝ちへのこだわり

 負けず嫌いって、その子の持って生まれた気質であったりするもので、その子自身の性格ぐらいに割り切ることが大切です。また成長する中でその気質はとても重要な要素にもなりえるものだと思います。

 では、勝ちにこだわる子の問題点は、負けたそうになった時には途中で投げ出したり、また、負けた時にはこの世の終わりのような絶望感を感じていたり、負けを認めなかったりと…。

 「勝ちたい」という気持ち=「頑張りたい」という向上心

 勝ちにこだわる子だからこそ「負けたとき」にどう対応するかがポイントになってくるようです。しっかり気持ちを受け止めつつ、どんな時でもその“頑張り”を褒めてあげましょう。

 勝った時にはもちろん、負けた時もその過程をしっかり褒める。褒める事によって、勝っても負けても次に頑張れるエネルギーへと変わります。

環境変化

 いつもと違う日、例えば通っている園ではたくさんの行事があると思います。そんな行事の日は、”場所”・”人”・”雰囲気”など、様々なことがいつもと異なるため、緊張したり、不安になったり、パニックなってしまう等、行事が苦手な子どもも多くいます。

 私たちも子どもの頃、運動会や遠足などの行事の前日はドキドキしてしまい、なかなか眠れなかったりしたことはありませんか?それは、「いつもと違う楽しいことがある」と知っていたから、ドキドキ・ワクワクしていたんです。

 しかし、いつもと違うことが苦手な子どもにとっては、日常に安心感があるため「いつもと違う!」「どうしよう…。」と、不安になり緊張が強くなってしまいます。

 では対応として、その活動はどんなことをするのか、子どもに対して事前に”具体的”に活動の内容を説明することが大切です。説明する時には、昨年に実施した行事活動の写真やビデオなどを見ながら、映像と共に伝えてあげると、子どもにとってはイメージし易く、活動に対して見通しを持てることで安心につながると思います。

 しかし、事前に知らされていてもその場の雰囲気などにどうしても対応できない子どもいます。そんな時は、子どもの不安な気持ちや驚いた気持ちなどをくみ取ってあげて、その気持ちを認めてあげることも大切です。

 活動には、必ずそれぞれの狙いがあり、子どもの成長につながっていく内容になっています。活動に参加できたことや、その日のために一生懸命練習してきたことがすでに成果となっているので、しっかり褒めてあげましょう。次の活動への自信に繋がっていきます。

巧緻性

 『巧緻性』という言葉を耳にしたことがありますか?巧緻性とは、一般的に手先の器用さを意味します。

 大人は普段の生活で当たり前に、はさみを使ってものを切ったり、紐を結んだりしていますよね。ですが、「こういった手先の細かな作業がなかなかうまくできない・・・」という子どももいらっしゃると思います。

 では、巧緻性を高めるためには、どのような取り組みが効果的なのでしょうか?

 きっずぱれっとでは、午後のクラスに制作活動を取り入れています。はさみで切る・のり付け・お絵描きを中心に行っています。紙を回しながら切る作業や、のりの量を調節して貼る作業などで、細かい指先の動き(微細運動)を練習しています。はさみの持ち方はもちろん、貸し借りをする際の人に対しての渡し方など、就学に向けて基本的な道具の使い方を学ぶことも目的としています。またそれだけではなく、工程を聞きながら工作を進めていくことで、一斉指示理解のトレーニングにもなります。

 自由遊びの中でも・・・

 きっずぱれっとの療育プログラムのなかに「遊びの時間」を設けています。その遊びの時間に登場する玩具、例えばレゴブロックやジスター等でも「巧緻性」と「微細運動」のトレーニングを行えます。

 巧緻性を高めることで・・・

 指先が器用になる事はもちろん、集中力を身につける事にもつながっていきます。出来上がった作品だけでなく、”頑張っている姿に対しても”しっかり褒めてあげましょう!

声の大きさについて

 皆さんは声の大きさを意識して学習したことがありますか?声の大きさを場所や状況に合わせて使い分けることは、もしかしたら暗黙の了解で覚えてきたことかもしれません。『暗黙の了解』といった明確でないことが苦手な子がいます。しかし見方を変えると、明確に学習をすればしっかりと覚えることができるこどもです。では曖昧な物を明確にするために、目に見えない声の大きさを目に見えるように図示して分かりやすく伝えることで、状況に合わせて行動することができます。

 きっずぱれっとでは声の大きさ表を使って5段階の声の大きさを練習しています。子どもたちが分かりやすいように動物の絵を使用した声の大きさ表で、まずは動物の大きさを確認して、実際にその声の大きさを出してもらいます。

 例えば、集団活動の際には、『らいおんさんの声で』と声の大きさを伝え、返事を促します。

 「声が大きいよ」「もう少し小さい声で話そうね」などの抽象的な声掛けでは子どもは分かりにくく、『もう少し小さいってどのくらいだろう』と子どもは思ってしまいます。

 『もう少し』とはどれくらいのことを示すのか、場面に応じた適切な声の大きさを伝えてあげることでお子さまも意識できるようになります。外で遊ぶ時や、人前で発表するときはには“らいおんさんの声”、室内で遊ぶ時には“うさぎさんの声”など状況と動物をマッチングさせて伝えていきます。

 また、実際に声の大きさを普段の生活でも調整できるようにするためには、習慣化することが重要です。きっずぱれっとでは、活動の中で声が大きかった場合「うさぎさんの声でお話ししようね」というような声掛けを行っています。

 ご家庭でも一緒にやってみましょう。生活の中で繰り返し続けていくことで場面と声の大きさがマッチングでき、習慣化していきます。少しづつ意識できるように手助けをしつつ、出来ていたときにはたくさん褒めてあげましょう。

距離感

 人にはそれぞれちょうどいい「距離感」がありますが、このパーソナルスペースが「広い」「せまい」ことでの多くのトラブルの基にもなっています。

 では具体的な対応として、先ずは子どもの気持ちを言葉に出して伝え、共感することです。くっついてきた時は「くっつきたいんだね」等と、子どもの思いを言葉にしてあげることから始めます。

 思うままに行動して、自分が何をしているかわかっていない場合もあるので、言葉で理解させることは重要です。また子ども同士で「もうベタベタくっつくの嫌だよね〜」と会話をする子もいるので、言語化しておくと「私やってる!」と気づいてやめることがあります。

 次に、子どもにとって、『くっつく』=「嬉しい・楽しい」表現の一つになっているます。くっつくだけが「嬉しい・楽しい」表現ではないことを伝えていきましょう。モノを手渡したり、ハイタッチ、握手、一緒にソファーにすわってTVをみる等、これらも立派な表現です! このように、くっつく以外にも、「嬉しい・楽しい」という気持ちを共有できる方法があることを伝えてあげましょう。

 また、子どもに距離の取り方を教えてあげる時には「離れて」「近づかない」「広い」「せまい」ではうまく伝わりません。具体的な距離感を言葉にして伝えることが重要になります。例えば、「前ならえ」をしたときに相手にぶつからない広さや、机1個分はあけようね等、きっずぱれっとでは40センチのジョイントマット敷いているので、マットの変わり目を使ったりしています。

 そして一番重要なこと、それは子どもが『適切な距離感を保てている』ときにはしっかり褒めてあげることです。