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声の大きさについて

 皆さんは声の大きさを意識して学習したことがありますか?声の大きさを場所や状況に合わせて使い分けることは、もしかしたら暗黙の了解で覚えてきたことかもしれません。『暗黙の了解』といった明確でないことが苦手な子がいます。しかし見方を変えると、明確に学習をすればしっかりと覚えることができるこどもです。では曖昧な物を明確にするために、目に見えない声の大きさを目に見えるように図示して分かりやすく伝えることで、状況に合わせて行動することができます。

 きっずぱれっとでは声の大きさ表を使って5段階の声の大きさを練習しています。子どもたちが分かりやすいように動物の絵を使用した声の大きさ表で、まずは動物の大きさを確認して、実際にその声の大きさを出してもらいます。

 例えば、集団活動の際には、『らいおんさんの声で』と声の大きさを伝え、返事を促します。

 「声が大きいよ」「もう少し小さい声で話そうね」などの抽象的な声掛けでは子どもは分かりにくく、『もう少し小さいってどのくらいだろう』と子どもは思ってしまいます。

 『もう少し』とはどれくらいのことを示すのか、場面に応じた適切な声の大きさを伝えてあげることでお子さまも意識できるようになります。外で遊ぶ時や、人前で発表するときはには“らいおんさんの声”、室内で遊ぶ時には“うさぎさんの声”など状況と動物をマッチングさせて伝えていきます。

 また、実際に声の大きさを普段の生活でも調整できるようにするためには、習慣化することが重要です。きっずぱれっとでは、活動の中で声が大きかった場合「うさぎさんの声でお話ししようね」というような声掛けを行っています。

 ご家庭でも一緒にやってみましょう。生活の中で繰り返し続けていくことで場面と声の大きさがマッチングでき、習慣化していきます。少しづつ意識できるように手助けをしつつ、出来ていたときにはたくさん褒めてあげましょう。

スモールステップ

 私たちも仕事や普段の生活の中でも目標を設定することはあると思います。

 例えばダイエット!「5キロ痩せよう」と目標を立ててもなかなか達成することが難しく、戦意喪失してしまうことありませんか?でも「1キロ痩せよう」と目標を設定することで、達成できるかもと感じてしまいます。

 つまり、本人がやる気になるぐらいの“適度な目標”を設定することが肝要となります。

 療育においても同様です。その子どもがどんな目標だったらがんばれるかを見極めて目標を設定します。

 子ども自身が「できた!」と達成感を感じることが適度にあると達成意欲が増します。一方で、目標は高くはないが「できた!」と感じるまでに時間を要するものであれば、子どもの達成意欲は段々と低下していきます。

 つまり、目標はがんばれる目標であり、かつ小刻みに設定する「スモールステップ」である必要があります。

 また、子どもにとっては、できた時に『褒めらる』ことによって、達成感を感じることができます。

 たくさんの小さな「できた!」が結果として大きな目標達成に繋がります。たくさんの「褒め」を積み上げましょう!

距離感

 人にはそれぞれちょうどいい「距離感」がありますが、このパーソナルスペースが「広い」「せまい」ことでの多くのトラブルの基にもなっています。

 では具体的な対応として、先ずは子どもの気持ちを言葉に出して伝え、共感することです。くっついてきた時は「くっつきたいんだね」等と、子どもの思いを言葉にしてあげることから始めます。

 思うままに行動して、自分が何をしているかわかっていない場合もあるので、言葉で理解させることは重要です。また子ども同士で「もうベタベタくっつくの嫌だよね〜」と会話をする子もいるので、言語化しておくと「私やってる!」と気づいてやめることがあります。

 次に、子どもにとって、『くっつく』=「嬉しい・楽しい」表現の一つになっているます。くっつくだけが「嬉しい・楽しい」表現ではないことを伝えていきましょう。モノを手渡したり、ハイタッチ、握手、一緒にソファーにすわってTVをみる等、これらも立派な表現です! このように、くっつく以外にも、「嬉しい・楽しい」という気持ちを共有できる方法があることを伝えてあげましょう。

 また、子どもに距離の取り方を教えてあげる時には「離れて」「近づかない」「広い」「せまい」ではうまく伝わりません。具体的な距離感を言葉にして伝えることが重要になります。例えば、「前ならえ」をしたときに相手にぶつからない広さや、机1個分はあけようね等、きっずぱれっとでは40センチのジョイントマット敷いているので、マットの変わり目を使ったりしています。

 そして一番重要なこと、それは子どもが『適切な距離感を保てている』ときにはしっかり褒めてあげることです。

成功体験

 きっずぱれっとでは、個別活動・集団活動・自由遊び等にルールがあり、ルールを守ると花丸カードが渡されます。

 達成できた時にはその都度、子どもが分かるように褒めてあげ、「できているんだ!」「お約束を守ることができたんだ!」と理解できるように花丸カードを渡し、声かけをしています。

 また、できなかったところを指摘するのではなく、できたことをたくさん評価し、小さな成功体験を積み重ねさせてあげることで、子どもたちの成長に繋がっていきます。

 小さな事でも“出来ていること”を見つけてあげ、たくさん褒め、そして大きな花を一緒に咲かせましょう!

療育とは

 「療育」って…。何か特別な事なのでしょうか?私たちは「保護者と一緒にていねいな子育てをする」ことだと考えています。

 人の行動には“理由”があります。普段の生活であまり考えることがないかもしれませんが、人は「面白いから→笑う」「悲しいから→泣く」「おなかがすいたから→食べる」…よくよく考えると日々の何気ない行動にも何かしら理由がみつかります。そして、大半の人はこの理由と行動のつながりが似ていることが多いのです。

 でも、「どうしていいのかわからないから→笑った」「ドキドキして不安だったから→ふざけた」「その場にいたいから→飛び跳ねた」この理由と行動のつながりは、一見わからないことだらけのように思えます。

 明らかな遅れはないけれど発達に凸凹のある子どもたちの行動の理由(背景)は、このようにちょっとわかりにくいことも多く、そのため周囲から「どうして?」「なんで?」と思われることがあります。

 そして、目に見える行動だけで判断され、誤解されることも多いです。気持ちが沈むのは誤解された子どもだけでなく、「どうして?」「育て方のせい?」と悩んでいる保護者の方も同じではないでしょうか。

 “子育てに悩みはつきもの”や”子育てに正解はない”とよく言われますが、でもなかなか答えがみつからない悩みを抱え続けることや、周囲の人と悩みを共有できないことは、不安なことだと思います。

 きっずぱれっとでは、子どもたちの「知ってほしい!わかってほしい!」想いや、保護者の方の「こんなことができたらいいね」、「こんな子になってね」という想いに応えられるよう、子どもたちの行動の背景を保護者の方と一緒に考え、ひとりひとりに合わせた工夫をみつけ、「保護者の方と一緒にていねいな子育て」をしていきたいと思います。また、同じような想いを抱えているお父さん・お母さんと出逢い、悩みや不安を共有していただける場になればと思います。