吃音に対する特別な環境

吃音があるお子さんの多くは、頭の中に話したいことがいっぱいあるが、それをうまく言葉に表現できない状況になっていると考えられます。

また、吃音のあるお子さんの中には、新しい場所やヒトが苦手だったり、他の人からの評価を気にしたり、ちょっとしたことですぐにくじけてしまったりするような「繊細」なお子さんがいることが知られています。

そこで、吃音のお子さんと接する際は、これらの特性に合わせた「特別な環境」を作ることが効果的と考えています。

このような「特別な環境」には、以下のようなものが考えられます。

・お子さんとお話をする時に、話しかける大人の側が“ゆっくり”、“ゆったり”とした話し方で話したり、お子さんの話す速さと同じが、少しゆっくり目ぐらいの速さで話すこと。また、子どもが話し終わってから、一呼吸置いてから子どもに話しかけるようにすること。

・お子さんがお話をしている時は、“相づち”や“うなづき”などをしながら、出来るだけ最後までお話を聞くこと。お子さんがお話をし終えるまで、大人の側から、別の話題などを話さないようにすること。

・家事などで忙しい時は、「あとで、お話を聞くから待っててね」などと言い、あとで必ずお話を聞く時間を設けること。

・兄弟がいる場合、先を争うように話しかけるような状況がある場合は、「順番に話す」というルールを設け、発話の最中に話を割り込まれることがないようにする。

・お子さんに対して「ゆっくり」、「落ち着いて」などの声かけは極力控えるようにすること。

・毎日の生活にゆとりをもたせるために、早寝・早起きなどの規則正しい生活習慣の確立や、朝や夕方などの忙しくなりがちな時間帯の過ごし方に気をつけ、生活全般を“ゆったりと落ち着いたもの”にすること。

・短い時間で良いので、毎日の生活の中に、お子さんと一対一でじっくりとかかわる時間を設けること。

これら、”特別な環境”を整えることで、話したい事・伝えたい事をゆっくり話せ、話せた・伝わった経験を重ねることで、自信につなげていけると思います。

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