切替え

楽しい事はいつまでもしたい。これは子どもに限らず大人も同じではないでしょうか。切替えをスムーズに行うためにはスモールステップで行っていく必要があると思います。

先ず初めにあらかじめ量を決めることです。

“無くなった=終わり“がイメージでき理解できるように促していきます。

途中でやめることは子どもにとってはとてもしんどい事だと理解してください。あらかじめ大人が“適量”を決めて、終わったら次の活動へ切り替えるよう促していき、できたらしっかり褒めてあげましょう。

次に、始めと終わりについて共有しておく必要があります。大人は曖昧な表現でもある程度イメージを共有し合えることが多いですが、子どもに対しても同じようには事は運びません。例えば「この前と同じ場所で待ち合わせ」と約束しても”この前…“、”同じ場所…“等曖昧な表現よりも「○○で待ち合わせね」と的確な表現を行うことが重要です。

子どもに対して「これがなくなったら終わりだよ」と、あらかじめ子どもにも共通イメージが持てれるように伝え、終わりの見通しを共有しましょう。「~したら・・・をする」という見通しを他者と共有できるようになると、「次は何?」と子どもの方から、尋ねてくるようになるでしょう。ただし、この「見通し」・・・目に見えない不確定の未来です。

私たちが雰囲気で何となく理解していることがわかりにくいという子どもの場合、先の予定や段取りなどの見通しを、目に見える形で共有するステップが必要なことがあります。

きっずぱれっとでの活動の中から、「見通し」を目に見える形(視覚支援ツール)で伝える方法の一例をご紹介します。

「始め」と「終わり」の意識が持てるように、サーキットの活動では、目印に足形シートを置きます。そして「~したら、次は・・・する」という意識が持てるように、活動のイメージカード(イラスト等)を時間の流れに沿って活動を順番に並べて提示しています。時間の感覚が苦手な子どもに対しては、タイムタイマー等も用いています。

次に終わりのサイン(合図)を決めておきます。

日常生活でも、合図で行動を切り替えることがよくありますね。 

いつも誰かがそばについていて、声をかけてあげられるわけではありません。大人の声かけですんなり切り替えできる場面が増えてきたら、「合図が聞こえた=今していることを終えて次のことをする」という理解ができるように繰り返し伝えていきましょう。

きっずぱれっとの活動の中でも、「合図がなったら終わり」の伝え方の一例をご紹介します。

 自由遊び等遊びに夢中になると時間を忘れてしまいます。タイムタイマーを設定してもなかなか見る余裕すらなくなるぐらい夢中に遊んでしまうので、時間が来たら“ピピピ”と終わりの合図でタイマーが鳴ります。

そして、この「合図」・・・目に見えない暗黙のルールです。

“目に見えないルールががわかりにくい”という特徴がある子どもの場合、合図について、言葉に含まれた意味(どの音が合図なのか?合図とは何か?など)を具体的に確認し合うことで、切替えがスムーズに行なうことができるようになります。

ワーキングメモリー

 物事を短い時間記憶しておくための1つの流れは、覚えてる対象に注意を向け、頭の中で注意を向け続けたり、反復したりすることです。

 多くの人は自然と行っていることですが、衝動性が強いと対象に注意を向けたり、覚えたことに注意を向け続けることが難しい子どももいます。他の事に注意が逸れたりするとすぐに忘れてしまいます。そうすると、何か作業を行うことが難しかったり、ルールのある遊びや人とのやりとりも難しいことがあります。忘れ物をしたり、物をすぐなくしたり、場所が分からなくなってしまうこともあるでしょう。それらを防ぐためには、ワーキングメモリーと言われる物事を短い時間記憶する力を伸ばす必要があります。

 注意を向けたり持続する力を養うことと同様に、記憶しておかないと正答できない課題をスモールステップで行います。

 きっずぱれっとの個別療育で実施している課題としては、絵カードを用いて、複数枚の絵カードを提示し、「○○を取ってください」と指示を出して選択させます。徐々に難易度を上げ、「○○と○○と○○を取ってください」などと2、3枚の指示を出したりします。このように記憶しないといけない量を増やし、離れた場所の絵カードを選択して取ってきたりすることも良い練習になります。

 また集団活動では、神経衰弱(テディメモリー)や伝言ゲームなどの難易度を下げてスモールステップで行います。これらの活動を通じてしっかり褒めて、楽しみながら短期記憶を伸ばしていくことができます。

勝ちへのこだわり

 負けず嫌いって、その子の持って生まれた気質であったりするもので、その子自身の性格ぐらいに割り切ることが大切です。また成長する中でその気質はとても重要な要素にもなりえるものだと思います。

 では、勝ちにこだわる子の問題点は、負けたそうになった時には途中で投げ出したり、また、負けた時にはこの世の終わりのような絶望感を感じていたり、負けを認めなかったりと…。

 「勝ちたい」という気持ち=「頑張りたい」という向上心

 勝ちにこだわる子だからこそ「負けたとき」にどう対応するかがポイントになってくるようです。しっかり気持ちを受け止めつつ、どんな時でもその“頑張り”を褒めてあげましょう。

 勝った時にはもちろん、負けた時もその過程をしっかり褒める。褒める事によって、勝っても負けても次に頑張れるエネルギーへと変わります。